こんにちは。

美味しい白米に出会って感動が止まらない、

横浜の行政書士、小林優奈です。

昨日は前職の頃からのお客さんの決算変更届(決算報告)を提出するため、都庁に行ってきました。

帰り際に建設業と宅建業の新しい手引きをもらってきたのですが、宅建の手引きにB5の紙が挟まっていて、欠格要件の変更について記載されていました。

欠格要件とは、許認可を取るための要件の一つで、該当している場合は許認可が受けられません。

今回の欠格要件の変更はご存じない業者さんが多いと思うので、遅くなりましたが、この機会に変更点や背景をまとめておこうと思います。

変更点

「成年被後見人若しくは被保佐人(以下、「成年被後見人等」)」が欠格要件ではなくなり、「心身の故障により建設業を適正に営むことができない者」という表現に変わりました。

変更前

変更後

成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者

(1)破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者


(2)心身の故障により建設業を適正に営むことができない者
⇒精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者

背景

変更になった理由としては、成年被後見人等の人権尊重のためです。

これまでは成年被後見人等になっていると許可や免許を受けられないという資格や職種などから一律に排除される制度を設けていることが多かったので、成年被後見人であることを理由に不当に差別されないようにするため、欠格要件を見直す必要があるということで、「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」が成立しました。

変更時期

建設業許可と宅建業免許は令和元年9月 14 日から欠格要件が変更になっています。

手続面の変更点

神奈川県の建設業と東京都の建設業、宅建業しか確認できていませんが、これらは従来通り「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」の提出ができればそれでいいようです。

提出できない場合は「医師の診断書」が必要になります。
※診断書のサンプルは各自治体が掲載しています。最後にまとめてリンクつけます!

医師の診断書によって、事業を適正に営むために必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができると認められる場合については欠格事由に該当しないという扱いになるようなので、一応は要件の緩和となり申請できる可能性が増えると言えるでしょう。

ですが、成年被後見人等になっている人の中で上記のような診断書がもらえる人がどれほどいるのでしょうか?

本当に許認可が取れるケースがあるのでしょうか?

これから診断書パターンで許認可が取れたという事例が出てきたらこのブログでお知らせしたいと思いますが、他の行政書士さんや事業者さんもそういう事例があればどんどん共有していただけると嬉しいです!

そういう情報が、これまで成年被後見人等に該当していたがために許認可をあきらめていた業者さんの希望になるといいなと思います。

今回は建設業と宅建業についてしか情報が得られませんでしたが、その他の許認可についても徐々に整備されていくものと思われます。

情報が確認でき次第、ホームページに記載している欠格要件は修正いたします。

参考情報

国土交通省プレスリリース
「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う国土交通省関係政令の整理等に関する政令」が閣議決定されました

神奈川県建設業課
建設業法第8条(欠格要件)改正に伴う許可申請・届出に係る提出書類取扱いの変更について※診断書サンプルあり

東京都建設業課
建設業法の改正に伴う提出書類の変更について(お知らせ)※診断書サンプルあり

東京都不動産業課
宅地建物取引業免許申請の手引