専任技術者の変更~ガラス工事業編~

皆さま、今日も一日お疲れ様です。

横浜の行政書士、小林優奈です。

今日は暖かくていいですね~。

寒いと体のあちこちが痛むので、

暖かいのはありがたいです。

今日はポカポカ陽気の中、

いつものごとく県民センターに行ってきました。

かながわ県民センター

8月決算の建設業者さんの決変(決算報告)提出です。

今月が決算報告の提出期限なのですが、

確認事項の返事待ちの状態だったので、

期限に間に合うかなぁ。。と、

ヒヤヒヤしましたが、

今朝早くに社長が返信してくれたので、

少し余裕をもって終えることができました。

あともうひとつ、

同じ業者さんの専任技術者の変更届も一緒に出してきました。

決変(決算報告)のことは前に書いたので、

今日は専任技術者について触れてみたいと思います。

専任技術者とは?

専任技術者は建設業許可の許可要件のひとつで、その営業所における担当業種の技術的総括責任者です。

持てる知識と経験を活かして主導的な役割を果たし、所属営業所で行う見積や契約、履行等を適正に執行し、発注者の期待に応えるという重大な職務を有しています。

ざっくりと、

技術面の責任者で、許可における重要人物

と捉えていただくといいと思います。

誰がなれる?

専任技術者は誰でもなれるわけではありません。

営業所に常勤する取締役または従業員のうち、資格保有者や一定の実務経験がある人が専任技術者になることができます。

ここでポイントになるのは、

「常勤」と「資格保有者や一定の実務経験がある

の2つです。

「常勤」とは?

原則として本社、本店等において、休日その他勤務を要しない日を除き、一定の計画の下に毎日所定の時間中、その職務に従事していることをいいます。(東京都 建設業許可申請・変更の手引きより)

具体的には、社会保険に加入しているかどうかや、営業所に通える距離のところに住んでいるかなどで判断されます。

下記のようなケースは常勤と認められません。

  • 他の建設業者で経営業務の管理責任者、専任技術者になっている
  • 他の会社で常勤の役職員になっている
  • 個人事業を営んでいる

「資格保有者や一定の実務経験がある」とは?

必要とされる資格や実務経験は、許可区分(一般建設業・特定建設業)や許可業種によって異なります。

今回提出したのが一般建設業のガラス工事業の専任技術者変更届だったので、

それを例に必要とされる資格と実務経験を見てみましょう。

ガラス工事業(一般建設業)の専任技術者になれる資格・実務経験

  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)
  • 登録硝子工事基幹技能者
  • 職業能力開発促進法 技能検定「ガラス施工」※2級の資格については、資格取得後3年以上のガラス工事の実務経験が必要(平成15年度以前の合格者は1年以上で可)
  • 建築学、都市工学に関する学科を卒業後、大卒は3年以上、高卒は5年以上のガラス工事の実務経験
  • 10年以上のガラス工事の実務経験(学歴・資格は不問)

※実務経験とは、許可を受けようとする建設工事に関する技術上の経験であり、具体的には、建設工事の施工を指揮、監督した経験及び実際に建設工事の施工に携わった経験等をいい、建設工事の発注に当たって設計技術者として設計に従事し、又は現場監督技術者として監督に従事した経験も含みます。工事現場の単なる雑務や事務の仕事に関する経験は含まれません。(神奈川県 建設業許可申請の手引きより)

列挙してみると意外と少ないですね。

他の業種だともっと多かったりするのですが、

29業種全部挙げると長くなるので、

またの機会に。

専任技術者を変更するときにどんな書類が必要?

専任技術者の変更届の必要書類は、許可権者(神奈川県知事や東京都知事、国土交通大臣など)、資格の種類によって異なります。

なので、これも今回の変更届を例に見てみましょう。

概要

業態法人
申請先神奈川県知事
許可区分一般
許可業種ガラス工事業
変更内容専任技術者
専任技術者の資格前任者(実務経験10年) ⇒ 後任者(実務経験10年)
証明に使った経験建設業許可業者(自社)でのガラス工事の経験(10年)

提出した書類

  • 変更届出書(様式第22号の2)
  • 閲覧対象外法定書類 表紙
  • 専任技術者証明書(様式第8号)
  • 実務経験証明書(様式第9号)
  • 確認資料 表紙
  • 保険証の写し
  • 許可通知書の写し

証明した10年間すべてが許可業者での経験だったのでこれだけで済みましたが、許可を持っていない会社での経験だと確定申告書や工事請負契約書など経験の証明に使う書類は多くなります。

また、経験期間の在籍についても確認されるので注意が必要です。

今回は保険証の「資格取得年月日」と「事業所名称」によって10年以上前からその会社に在籍していることが確認できましたが、高齢で会社の社会保険に入っていない方などは源泉徴収票の写しなど在籍が確認できるものが必要になります。

年末の大掃除で古い書類を捨てようとしている建設業者の皆さん!

将来に何かの証明で使えるかもしれないので、

・実務経験証明に使えそうなもの(確定申告書、工事請負契約書、注文書・請書など)

・在籍証明に使えそうなもの(源泉徴収票、源泉徴収簿、住民税特別徴収税額通知書など)

これらのものは捨てずに原本を保管しておきましょう!

上記のとおり、

専任技術者は技術面の責任者で、許可における重要人物なので、

変更するとなると他の手続きと比べても複雑でハードルが高いです。

経験を証明するのが個人なのか法人なのか、

自社(自分)なのか他社(他人)なのか、

許可業者なのか無許可業者なのか、

条件によって用意する書類が異なるので、

何を用意すればいいか混乱するかと思います。

行政書士事務所STARTでは、

わかりやすい説明と資料を心がけておりますので、

専任技術者の変更でお困りの方は、

ぜひご相談ください!

 

 

さて、年内は残り5営業日です。

来年許可の更新を迎える業者さんなど、

手続きを依頼したい方は、

申し込みだけでも年内にどうぞ!

お待ちしております。